第1回  那智大社
(初めに)
なぜ、熊野に人は参詣するのでしょうか?
京都より淀川を下り、大阪の天満橋に至ると、九十九王子の初にあたる窪津王子があり、阿倍野、藤代、切目王子などをぬけ、中辺路、本宮大社、那智大社、速玉大社と経ていくのが一般に言われる紀路です。他にも中辺路を通らず海沿いを通る大辺路、伊勢のほうより廻る伊勢路などもあります。単純に距離にしても300キロはあります。
平清盛や白河法皇、鳥羽上皇、後白河上皇・・・・。のみならず、蟻の熊野詣といわれるほど多くの人が、あらゆる艱難辛苦を排して熊野を目指しました。何か得るものがなければ、そんな苦労をして参る事もないのでは?と、つい考えてしまいます。やはり、平清盛のようにご利益はあったのでしょう。なぜ?あらゆる労苦をおかしてもやりとげる意思を持っていたからこそ、願いはかなったのではないでしょうか?
私たちは、今、車社会で、どのお寺や神社に参るにしても神前に乗り付けて手をあわせるだけではないでしょうか?
あらゆる労苦を排して、祈る。ということは、すなわち、決断力、実行力を養うということでは?と思ったのです。だから、昔の人は、熊野だけでなく、高野山にいったり、お遍路さんに行ったり出来たのだと思います。
と、あんまり、大げさに考えても仕方ないのですが、熊野古道を歩いてみると、清々しく、日常を忘れ、爽快な気分になってきます。そして、郷土の歴史にも触れることが出来ます。
そんなわけで、九十九王子を逆に那智山の方から、写真や感想も交えつつ、順に少しずつ、辿っていきたい。と思います。
よろしく、おつきあいいただければ幸いです
那智大社 青岸渡寺 那智の瀧 大門坂 多富気王子 夫婦杉
那智大社 青岸渡寺 那智の瀧 大門坂 多富気王子 夫婦杉
第2回  陰陽の滝
那智谷には那智四十八滝と呼ばれるほど多くの滝があります。古道だけでなく、そんな滝もご紹介できたら、と考えています。
熊野別当屋敷跡 陰陽の滝 お杉社
第3回  市野々王子
那智山から続く古道沿いには,色々な歴史があります。
昭和の遺産である鉱山跡や鎌倉時代より続く、尼将軍などをご紹介します。
市野々王子 片袖地蔵 尼将軍 妙法鉱山跡
第4回  大雲取越え~その1~雪道編
今回はコースを少し変えて古道随一の難所といわれる大雲鳥越を紹介します。
南国とはいえ12月に決行したので珍しく雪道模様です。
雪の古道 古道より サイン(^^) 円座石