素 材 探 訪
第1回
杉のこと、山のこと
私たちが「住まい」について考えるとき、いつも気を使うもの。
それは「木材」です。
日本国土の約66%を森林
が占めています。にも関わらず木材の自給率は
20%にすぎません
。
日本は、豊富な資源を持ちながら、海外の森を荒らし、批判を受けています。
建築を進めていく上で、「素材」について考えたときに
先ず、直面する問題として捉えたとき「木」は避けて通れません。
そんなわけで、素材探訪の第1回として
木材の中でも、私たちがもっともよく使う材料のひとつである「杉」について
取り上げたいと思います。
私たちが主に使うのは「
紀州材
」ですが、地域的に最も多いのが
熊野川と古座川の流域のものです。国内でも有数の多雨地域であるこの地方のためか
総じて、黒味がちで粘り強い性質を持っています。黒味の強い木は
外部に使っても、水に強く地域の特性にあっています。
やはり、家は地元の木で建てたほうが良いのです。
大工さんの間では、杉材にカンナを上手にかけられると一人前といわれます。
桧などと比べると柔らかく、刃が傷みやすいからです。
杉は構造材だけでなく、下地材、造作材、和室材などあらゆるところで
使われています。私個人としては、フローリングに使うことがおすすめです。
柔らかく、傷がつきやすいので椅子を使うところにはあまり向きませんが、
素足で歩くとなんともいえない温かみがあり、癒されるようです。
近年、杉の
間伐材
を使い、構造用合板と同等の耐力があると認められた
Jパネル
や集成材の
杉パネル
など間伐材を積極的に使った商品が
出てきました。
戦後の国策により、植林された人工林が伐期を迎えてきています。
木材価格の低迷により、山にお金と人手が入らなくなっていますが、
この状況が、国内の山の荒廃を招いています。
間伐材を有効に使ったこのような商品を積極的に使っていけば
少しでも、山のためになるのでは、と思います。
私たち、設計者や工務店が取り組んで山に入るお金を適正にしていく
努力をしていくこと、消費者が、コスト、効率だけにとらわれない[住まい」
を考えること・・・・・。
たくさんの出来ることがあるように思います。
今後、私どもが取り組んでいきたいことは、
紀州材
を使うだけでなく
流通の形態を見直し、
スタンダードになりうるデザイン性を追及した「住まい」
を
作っていくシステムなり、仲間を増やして、少しでも地域と山に
貢献していくことです。
もっと多くのことを知る努力を欠かさないようにしたいと思います。
もし、こ
の地域で私たちに共感していただける方は
メールなりでご連絡いただければ幸いです。
【伐採の様子】倒れる瞬間の迫力にはびっくり。
【杉の森】木漏れ日が神々しい。
【杉板の乾燥】使う前にもう一度落ち着かせます。
【製材所】乾燥して加工します。
作品紹介
には杉の仕上がりも
あります。そちらもぜひ、
ご覧下さい。
【杉構造骨組み】大きな軸組は迫力と安心感があります。
素材探訪TOPへ
<<前頁へ
次頁へ>>